ロバート・ジョーダン『竜騎争乱』1〜5

 「時の車輪」シリーズの第8部。5冊まとめて。

竜騎争乱〈1〉嵐の来襲―「時の車輪」シリーズ第8部 (ハヤカワ文庫FT)

竜騎争乱〈1〉嵐の来襲―「時の車輪」シリーズ第8部 (ハヤカワ文庫FT)

 第1巻「嵐の来襲」。2003年9月購入。
竜騎争乱〈2〉金の瞳の密使―「時の車輪」シリーズ第8部 (ハヤカワ文庫FT)

竜騎争乱〈2〉金の瞳の密使―「時の車輪」シリーズ第8部 (ハヤカワ文庫FT)

 第2巻「金の瞳の密使」。同10月購入。
竜騎争乱〈3〉氷上の盟約―「時の車輪」シリーズ第8部 (ハヤカワ文庫FT)

竜騎争乱〈3〉氷上の盟約―「時の車輪」シリーズ第8部 (ハヤカワ文庫FT)

 第3巻「氷上の盟約」。同11月購入。
竜騎争乱〈4〉精鋭たちの召喚―「時の車輪」シリーズ第8部 (ハヤカワ文庫FT)

竜騎争乱〈4〉精鋭たちの召喚―「時の車輪」シリーズ第8部 (ハヤカワ文庫FT)

 第4巻「精鋭たちの召還」。同12月購入。
竜騎争乱 (5) (ハヤカワ文庫 FT―時の車輪 (352))

竜騎争乱 (5) (ハヤカワ文庫 FT―時の車輪 (352))

 第5巻「竜王軍の逆襲」。2004年1月購入。

 放置期間は3年以上。本シリーズの特徴は「女性上位」にあり、キャラクターの関係づけとして気の強い女性とそれに振り回される男性が基本となっているのだが、そういった性格とは別に世界観にも「女性上位」の色合いが濃厚に表れている。
 この世界における魔法は「絶対力」と呼ばれているのだが、その「絶対力」を引き出す際に用いられる「万物源」と呼ばれる力の源がある。その「万物源」のなかでも女性が用いるのが「女性源」、男性の利用するのが「男性源」と分けられるのだが、「男性源」は前の竜王大戦によって闇王の被害をこうむり汚されてしまっている。したがって「男性源」を用いて「絶対力」を用いることは非常なる苦痛をともない、長い間この力を使っているとやがて狂気に陥ることとなる。そのため「絶対力」を用いることのできる男性は非常に少なく、同種の力を持つ女性の多さに比して立場上極めて不利である。なお、本書の主人公にして「竜王の再来」アル=ソアは「男性源」から力を引き出すことができ、その力を頻繁に使うため、自分自身やがて気が狂うのではないかと心配している。最大の敵闇王との戦いの他に自らの内なる狂気との戦いというテーマがそこに付随され、この設定は作品の厚みを増すのに一役買っているといえる。