竹本健治『闇のなかの赤い馬』

闇のなかの赤い馬

闇のなかの赤い馬

 2004年1月購入。3年以上の放置。聖ミレイユ学園のウォーレン神父が校庭で落雷に逢って焼死した。それに続いてベルイマン神父が密室のサンルームで焼死体として見つかる。「汎虚学研究会」のメンバーは事件を解決すべく乗り出すのだが、メンバーの一人・室井環は赤い馬の悪夢に悩まされることになる……
 ミッションスクールという舞台やいわくありげな美少年、そして怪しげな悪夢など、雰囲気作りに用いる材料のチョイスのうまさはこの作者にしてみれば当然か。メインとなる殺害トリックは一見バカミス風味だが、これらの舞台装置や背景にある動機、あるいはその殺害場面をかんがみてその絵を想像して見ると結構怖い。