西澤保彦『キス』

キス

キス

 2006年3月購入。およそ1年の放置。実在する作家・森奈津子が主役のエロスと笑いが満載のSFミステリ。中篇4編が収録されており、それぞれがメタレベルで微妙につながっていて読後に思わずニヤリとしてしまう。
 ただし私個人、森奈津子作品を読んだことがないため作中の同人物に関してはあくまで作品内におけるキャラクターとしてしか認識できず、したがって作品そのものを十分に堪能できたとはいえない。その前提で言わせてもらうのであれば、作者の森奈津子に対する愛情は十分に感じられたのだが、少なくとも西澤作品としてはハズレの部類だと思う。