樋口有介『彼女はたぶん魔法を使う』
- 作者: 樋口有介
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/07/22
- メディア: 文庫
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ひとつ間違うと「それなんてエロゲ?」と言いたくなるような設定で展開されるストーリーは、主人公の年齢とはほど遠い青春小説のごとくみずみずしいものである。それは単に草平がガキっぽいと言うものではなく、サムエル・ウルマンの有名な詩の一節「青春とは心の若さである」を地でいく言動を見せてくれるからこそ生じるものだ。このテイストは私個人の嗜好から言えばストライクゾーンど真ん中で、非常に楽しく読めた。おっさんの、おっさんによるおっさんのための青春小説だ*1。
*1:ゆえに私はおっさんということになる。