北森鴻『ぶぶ漬け伝説の謎 裏京都ミステリー』

ぶぶ漬け伝説の謎 裏京都ミステリー

ぶぶ漬け伝説の謎 裏京都ミステリー

 2006年4月購入。3ヶ月の放置。『支那そば館の謎』に続くシリーズ第2弾。前作同様に京都ローカルの風習をネタとしてさまざまなストーリーを作り上げているのだけれど、そのネタと事件及びその謎解きが前作ほど密接に絡んでいない。そういった京都ネタよりも、今作ではキャラクター自身に関する出来事が語られることが多い。キャラクターに焦点が当てられるのはシリーズものならではのことではあるが、そもそものコンセプトである(と思われる)「裏京都」をテーマにしたミステリーということで考えると、ことできそのものに関しては前作に一歩譲らざるを得ない。
 なお、本書では前作同様作者の別作品を読んでいると思わずニヤリとしてしまう記述が見受けれた。具体的なことを書くのは野暮なのでやめておくけど。