山田正紀『花面祭』

 2002年7月購入。およそ3年の放置orz
 昭和22年、華道の名門塘松流家元芦田挿花は密室で変死を遂げる。彼の日記に記された「しきの花」とはいったいどのような花なのか? その「しきの花」の正体を探るべく依頼を受けた塘松流四天王と呼ばれる女性達の周囲で起きる殺人事件の数々。さらに、次期家元にして挿花の生まれ変わりを信じる芦田藍草が何者かに刺される……


 華道界を舞台にしているため、そこに生きる芸術肌の人間とそうでない俗人との対比が随所に出てくる。その中でも俗人として描かれる探偵役の扱いがなんともいえない。ミステリにおける探偵といえば俗物とは遠い位置づけで描かれることが多いと思うのだが、なんともまあ……