佐々木俊介『模像殺人事件』

模像殺人事件 (創元クライム・クラブ)

模像殺人事件 (創元クライム・クラブ)

 2004年12月購入。ほぼ半年の放置。
 人がほとんど訪れることのない山中に館を構える木乃家に長男の秋人が8年ぶりに帰ってきた。秋人は事故のため顔に大怪我を負い、一面包帯で覆われていた。その2日後、やはり秋人を名乗る人物が木乃家を訪れる。そしてその男もまた、顔を包帯で覆っていた。二人の「秋人」の帰郷によりもたらせる惨事。誰が殺され、いかに殺したか? そもそもその屋敷では何が起こったのか……

 包帯で顔を隠した男が2人も出てくるとなれば、ミステリ読みとしては「入れ替え」トリックだな、とすぐさま思い当たる。予期した通りそれは行われるのだが、その更に先に……いやはやそうくるか。

 雰囲気的に横溝を思わせ、旧来の探偵小説ファンにはうってつけだ。また、そうでないにしてもお勧めの1冊。