迫光『シルヴィウス・サークル』

シルヴィウス・サークル (創元クライム・クラブ)

２００２年４月購入。放置期間ちょうど３年。創元じゃなかったら文庫落ちしてるよorz

１９３X年、パノラマ館で「さかしまの娘」と名乗る二人組みの一人が射殺された。その場に居合わせた神野は独自で捜査を始める。しかし調査は難航、そんな中で更なる殺人が……

鮎川哲也賞最終候補作とあっていかにも正当派な本格作品（それゆえ、優等生的でもある）。衆人環視のなかでの殺人、凶器の消失、幻想的な雰囲気……

死の間際に見る最後の記憶――当人がもっとも見たいと望むもの――が事件を解く鍵になるのだが、その意味が最後に逆転する。その構図が綺麗だ。