矢野龍王『時限絶命マンション』

時限絶命マンション

時限絶命マンション

恭二の住むマンションで突如として始められたサバイバルゲーム。マンションの住人9戸に8個の悪魔人形。時間内にその悪魔人形を持っていた部屋の住人は死刑。

生き残るために住人に人形を押し付けようとする兄とその行為に抵抗感を示す弟・恭二。「強くなければ生きていけない」が「優しくなければ生きる資格がない」……

果たしてゲームの行方は?

矢野龍王の第二作は一作目と同系統のゲーム形式で進むサスペンス。第一作の『極限推理コロシアム』を読んだときも思ったのだが、もったいないな、というのが率直な感想。いや、設定は面白いんだよ。でも、それを活かしきれてない。一、二作ともサバイバルゲームになっているのだからそれを前提にした心理サスペンスをやれば面白いのに。単なるゲームの延長になっている感じ。この設定を福本伸行あたりに丸投げすればものすごい心理戦とかをやってのけそうなんだけど。もったいないなあ。