田中芳樹原案・文、岡崎裕信著『KLAN12 完結編』

 2008年8月購入。3ヶ月の放置。シリーズ作品のほとんどが放置されている田中作品にあって、たとえ丸投げ作品であろうとも完結したこと自体が驚き。とはいえその着地点は予定調和にすぎる。それ自体は王道的展開として評価可能であっても、設定から必然的に生じるテーマの掘り下げ、すなわち人と人外の対立、人外として人類と共存していく上で生じる葛藤、このあたりの処理がおろそかにすぎる。ゆえに、作品の芯そのものが非常にもろく甘っちょろいものに感じられてしまう。とはいえひとまず完結、大団円、おめでたい、ということでいいのかもしれない。だって田中作品だし。