浦賀和宏『松浦純菜の静かな世界』

松浦純菜の静かな世界 (講談社ノベルス)

松浦純菜の静かな世界 (講談社ノベルス)

 2005年2月購入。3年5ヶ月の放置。ボーイミーツガール物語をキモオタ風味で味付けし、連続女子高生殺人事件の犯人探しというミステリ要素を加えた作品。主人公八木剛士のルサンチマンの発露はいかにも浦賀らしい。ただし本書の主眼はあくまでボーイミーツガールであり、したがって彼の鬱屈のさまは粘着的には描写されない。ゆえに間口としては安藤シリーズよりは広いといえる。シリーズものであるので主眼である部分は明確な着地点を示しておらず、今後の展開が気になるところ。