アヴラム・デイヴィッドスン『どんがらがん』

 奇想コレクションの列に連なるに相応しい好短編集。個人的な相性の良し悪しと言う点に関して言うと決してよいとは言えないのだが、彼独特の発想から築き上げた作品の数々は実にユニークだ。特に「さもなくば海は牡蠣でいっぱいに」は個人の相性なぞ抜きにして、ガチで傑作である。なお、なんとなく斜に構えたスタンスの作品が多いようだが、編者をみて納得。いかにもこの人の好きそうな作家だ。