大森望『特盛! SF翻訳講座 翻訳のウラ技、業界のウラ話』

特盛! SF翻訳講座 翻訳のウラ技、業界のウラ話

特盛! SF翻訳講座 翻訳のウラ技、業界のウラ話

 SFに追い風が吹いている。若手作家の台頭、古典の相次ぐ復刊を見ればそれは明らかなのだが、なによりもこういった地道な雑誌連載エッセイが1冊の本にまとまること自体が勢いを表す一番の証左であろう。これより前に発売されている2冊(『現代SF1500冊 乱闘編』『〜回天編』)もやはり雑誌連載をまとめたもので、いわゆるSF冬の時代から現在までのSF史を鳥瞰する上で非常に役に立つ本だ。地道にコツコツ活動してきた大森望はエライ。時代はSF、そして大森望に微笑んでいる。