島田荘司『摩天楼の怪人』
- 作者: 島田荘司
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/10
- メディア: 単行本
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冒頭から数々の謎がてんこ盛り。「停電の15分間で34階から1階に移動してプロデューサーを殺害」「セントラルタワーの設計者の爆死」「連続する女優の自殺」「ビルのガラスだけがすべて割れ、壁は無傷」「ヒエログリフに書かれた内容」そして「「ファントム」の正体」。冒頭の謎を重視する作者らしい謎のオンパレードで一気に読者の興味をひきつける手法はさすが。そしてこれらの謎をきっちりと解明して物語を収束させて見せる豪腕ぶりも見事。やや冗長の感は否めないが御大の健在振りを確認させてくれる1作だ。