東野圭吾『予知夢』
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/08/01
- メディア: 文庫
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いずれもオカルト現象がらみの事件を「探偵ガリレオ」こと天才物理学者の湯川学が解き明かすのだが、一連の現象と科学とが密接に結びついてるわけではない。
ミステリにおいて「理系」がキーワードとなったのは森博嗣の登場によってであることは間違いない。彼は『すべてがFになる』で1996年4月にデビュー。一方、『探偵ガリレオ』が1998年5月、本書『予知夢』が2000年6月。本シリーズの登場ははたして「理系ミステリ」ブームに結びつけてよいものか。科学知識に基づいて書かれた『分身』は1993年で森博嗣以前であるから東野自身に「理系」の下地があったのは間違いなく、単純に便乗とはいえまい。ただ、本シリーズの生まれる契機になったということは考えられよう。