北山猛邦『『ギロチン城』殺人事件』

『ギロチン城』殺人事件 (講談社ノベルス)

『ギロチン城』殺人事件 (講談社ノベルス)

2005年2月購入。3ヶ月の放置。

自動人形の書く「HELP」の文字に応じるべく幕辺ナコと頼科有生のふたりは『ギロチン城』へ乗り込む。そこで待っていたのは前城主の密室首切り殺人の過去、そしてさらなる密室殺人。首切り人間の伝承に、成立するはずのない心霊儀式「スクウェア」、非人間的な名前をつけられた城の住人達……

物理トリックの名手北山猛邦の<城>シリーズ第4段。相変わらずの大掛かりな物理トリックに終末を連想させる悲しくはかなげな独特の世界観。そして今回はさらに……ファウスト編入に当たってつけられた「物理の北山」というネーミングがこういう風に活かされるとは。そういえば、先日発売された『ファウストVol5』で西尾が(北山の他作品のことでだが)これに関することを言及していた。

個人的には今までの北山作品よりも楽しめたし、北山自身の今後の可能性を広げる1作になったのでは。今後に更なる期待も出来ると思う。