アンソロジー『殺人鬼の放課後』

殺人鬼の放課後―ミステリ・アンソロジー〈2〉 (角川スニーカー文庫)

殺人鬼の放課後―ミステリ・アンソロジー〈2〉 (角川スニーカー文庫)

先月のオフ会でいただいた本。このシリーズはⅤまででているが、なぜかこれだけ持ってなかったのでものすごく嬉しかった。
四人の作者それぞれ面白かったのだが、私にとっての収穫は乙一を初体験したことだ。乙一は今まで気になっていたがなぜか読む機会がなかった。ここに収録された「SEVEN ROOMS」は殺人鬼に殺される恐怖をあおるのがうまい。
部屋が7つ。その中にそれぞれつかまった人がおり、毎日順番に殺されていく。一日一日自分の殺される番が近づいていく――恐怖心は次第に高まる。
このシチュエーションの作り方、いかにもゲーム的というかゲーム世代の発想ではないか。旧来とは違う方法論で小説が作られている感がある。この作者、新時代を担う旗手として大いに期待が出来る――この期待、裏切られるかどうかは他作品を読まねばわかるまいが、評判を聞く限りではその心配もなさそうだ。